去年1月には、アメリカ連邦捜査局=FBIが「QRコードから悪意のあるサイトに誘導されて個人情報が盗まれる可能性」について、注意を呼びかけました。

セキュリティー会社によりますと、アメリカの複数の都市では、路上に設置されたパーキングメーターに貼られた支払いのための正規のQRコードの上に、偽のQRコードのシールを貼り付けられる犯罪が多発したということです。

また、オランダでは「駐車場のゲートの支払機が使えない」などと偽の係員がうそをつき、QRコードを示して、料金を支払わせる詐欺が発生しました。

中国でも自転車のシェアリングの支払いで、利用者が料金を支払って自転車のロックを解除するためのQRコードが、貼り替えられ、支払った料金が攻撃者の口座に振り込まれてしまう事例が報告されているということです。

さらに、QRコードを読み込んだことで、不正なプログラムをダウンロードさせる偽のサイトに誘導したり、自動的に連絡先が追加されたり、通話が開始されたり、メッセージが送信されたりするおそれもあるということです。

自販機に無断でQRコードのシールが…

フィッシング詐欺や不正送金以外のリスクもあります。
国内でも、自動販売機やトイレに、寄付などを求めるサイトにつながるQRコードのシールが、無断で貼られるケースが相次いで確認され、事業者が注意を呼びかけました。

3つの心構え ひっかからないために

QRコードを悪用した詐欺などにひっかからないようにするにはどうすれないいのか。まず、QRコードからアクセスを促すメールについては、フィッシング対策協議会は「不正の可能性が高い」として、絶対にアクセスをしないよう呼びかけています。

実は、QRコードは誰でも簡単に作ることができます。例えばこのQRコード。「デジタルでだまされない」のNHKのサイトにつながるQRコードですが、作成には10秒もかかりませんでした。ネット上のサービスやアプリには無料でQRコードを作成するものが数多くあります。

ふだんから、メールの怪しいURLは開かないことを意識している人は多いかもしれませんが、QRコードでも同じ意識を持つことです。

街なかの至るところで表示されているQRコードの中には、発行元が確かでないものも、まぎれています。